年末にするべき節税対策の一つ「 損出し（益出し）」
- 損出しクロスのやり方が知りたい
- いつやる？いつまでにやる？
- 実行日は〇曜日がおすすめ！
- 損出しのデメリットや注意点
このページでは、そんな疑問を解消する日興証券の特定口座での損出しクロスの手順をまとめました。
「 損出し 」についての詳細記事はこちら
損出しクロスの方法
日興証券の保有銘柄での損出しクロスの手順です。
損出しクロス手順
- 時間外に発注し、制度信用買（寄成）＋制度信用売（成行）で同値でクロス
- クロス約定日に信用売建玉を現渡し
- 翌日、制度信用買建玉を現引き
現物売をしないのは、取引手数料がかかるから。
一般信用ではなく制度信用で建てるのは金利や貸株料が低いからです。
| 買い（金利） | 売り（貸株料） | |
|---|---|---|
| 制度信用 | 2.50％ | 1.15％ |
| 一般信用 | 3.00％ | 1.40％ |
一般信用売の在庫も気にしなくて済みます。
制度信用で建てた売玉は約定した日に現渡するので、逆日歩の心配も不要です。
3️⃣は2️⃣と同日ではなく、当日の17時半以降～翌営業日の引けまでに実行します。
2️⃣のクロス約定日に現引きをすると取得価額が平均化されてしまうので、損出し額のボリュームが減り効果が薄まります。
損出しクロスのコストは？
日興証券で損出しクロスをした場合にかかるコストは下記の２つです。
コスト
- 信用買建の金利（最短２日ぶん）
- 信用売建の貸株料（一日ぶん）
かかるコストは、損出し額ではなくクロスする銘柄の株価によります。
株価が50万円の場合…
制度信用
50万円×2.5％÷365日×2日＝￥68
50万円×1.15％÷365日×1日＝￥15
一般信用
50万円×3.5％÷365日×2日＝￥95
50万円×1.4％÷365日×1日＝￥19
株価が100万円ならコストは上記例の２倍、10万円の銘柄なら５分の１となります。
差額は誤差程度とも言えますが、優待クロス民ならスルーできない金額ですね😝
損出しクロスで損しない実行日
「 損出しクロス実行日 」は、月・火・金がおすすめ。
その理由は、信用買いの金利が余分にかかるからです。
信用取引の金利や貸株料は受渡日→受渡日の日数分かかります。
月曜火曜または金曜日にクロスをして翌営業日の火・水・月までに現引きすれば、金利は最小日数の２日ぶんですみますが、現引きが木または金曜になると土日を挟むために４日となります。
制度信用で建てた売建玉は、当日に現渡しをするので何曜日に実行してもかかる貸株料は１日分です。
ちなみに、クロス実行日を水曜や木曜にしたとしても追加コストは誤差程度なので、誤発注してもうた！的な失敗感も不要です。
実行日の損益額が大きい方が効率よいですが、日々変動している株価を正確に読むことはできないので、機械的に済ませるのがおすすめ。
優待クロス中の銘柄も損出しできる？！
一般信用売在庫で同値で優待クロス中の（実際に損は出ていない）ものでも、現引きした現物株がマイナス・信用建玉がプラスの場合、損出しが可能です。
早取りしたフジオフードの現物株が数字上1.6万円のマイナスとなっているので、これを損出しします。
制度信用で100株をクロス。
信用建玉一覧では売が「 制度 」と「 一般 」２本あるので今回建てた制度分を現渡しします。
翌日に制度で建てた買い建玉を現引きし、権利付き最終日に備えます。
この作業による損の確定で今年度（2024年）の源泉徴収分が還付され、権利落ち日に現渡しすることでおよそ同額（約1.6万円の）の利益は来年度（2025年）分の確定となります。
クロス中の買い建玉のみの損失分のみ確定して譲渡益と相殺できるって、なかなか使える技ですよね。
今回は1.6万円の損出しで約3,200円の源泉徴収税の還付で節税になりました。かかったコストは19円でした。
来年度の損益はわかりませんが、1.6万円の利益も確定しているので、もしもの失敗トレードにも備えることができます。
今年度はできる限りの損出しをすることで節税できて、損を繰り越さないので気分もスッキリ✨来年はまたあらたな気持ちでスタートすることができます。
いくらまで損出しするかですが、利益が±ゼロ以上までしてもOK
前年度までの繰越がなければ、それ以上で損益がマイナスになっても３年は繰越しできるので、先の利益の節税にもなるし３年あれば有効活用できると思います。
損出しクロスの注意点
- NISA口座は対象外
- この日までに実行
- 優待権利にも注意
損益通算ができるのは特定口座のみ。
そもそも課税されないNISA口座は対象外です。
いつまでにやる？
今年度の損益として確定するためには、12月の権利付最終売買日までに該当の取引が完了している必要があります。
2024年の場合は、12月26日（木）までです。
この日を過ぎると次年度ぶんの扱いとなります。
優待クロスでおなじみ株主優待の権利が取得できる最終日ですね＾＾
ということで、１１月等に実行分も含めクロス中の銘柄の損出しをする場合は、権利付最終売買日までに現引きまで済ませておかないと優待の権利が得られなくなるので注意が必要です。
確定申告は必要？
特定口座の場合は、証券会社で年間の損益通算および源泉徴収税の還付をしてくれます。
ただ、複数の証券会社をまたいでの損益通算や翌年度以降に損失の繰越をしたい場合は、確定申告が必要です。
確定申告をしないと、各証券会社ごとの計算となり、損出しをしても還付がされません。
年明けに確定申告をする、までがセットです。